グランド・キャニオン国立公園

  1979年登録 / 自然遺産

グランド・キャニオン国立公園は、アリゾナ州北西部にある世界最大級の峡谷。面積は492km²。峡谷の幅は15〜30km、深さは1000〜1500mで1600m以上に達する場所もある。
峡谷沿いの最下部には、先カンブリア紀の古い岩石が露出しており、上にいくにしたがい新しい岩石となる。

谷壁の色彩は1日の間に劇的に変化し、神秘的な光景を目の当たりにするだろう。
公園内の標高差が大きいこともあって植生は複雑で、峡谷の深さにより様々な動植物がみられる。半乾燥地帯にあるため、谷壁の植生は少ないが、南側のココニーノ高原にはマツやネズが生えている。
北側のカイハブ高原にはヤマナラシ・マツ・モミ・トウヒなどが自生し、動物はシカ・アンテロープ・ピューマ・ビッグホーンなどが生息している。
ほかに先史時代の先住民遺跡があり、現在でもハバスパイ族などの集落を段丘面や高原上に確認できる。また北側のカイバブ高原は、一般に南側のココニーノ高原より350mほど高いので冬は雪が多い。

グランドキャニオンの起源は比較的新しく、浸食作用がはじまったのは600万年ほど前のことだ。

コロラド川の下刻作用とコロラド高原の隆起運動があわさって、巨大な峡谷を形成した。
露出している地層から大半の地層が海成でここは長い間、浅い海の底だったことがわかる。峡谷の東縁部では9層の地層が典型的に確認できるが、これらは2億4700万〜2億8900万年前の古生代末期に堆積したと推定される。

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