オールド・ハバナとその要塞群

  1982年登録 / 文化遺産

オールド・ハバナはキューバの首都にある旧市街。1514年にスペイン人ベラスケスによって現在のバタバノに建設され、1519年に現在地へと移される。

天然の良港と戦略的に有利な立地により、アメリカ大陸におけるスペインの根拠地であった。しかしスペインの財宝船は、本国へ戻る航海前にこの港へ集まったため、16世紀末から17世紀初めは、たびたび海賊に攻撃された。
ハバナ湾の入口にあるモロ城やプンタ城は当時の要塞として建造されたものである。1762年にはイギリスに占領されたが、翌年、フロリダと交換にスペインに返還され、商業の中心地となった。

カリブ海の真珠」と呼ばれる西半球で最も古く美しい町のひとつであり、珊瑚石灰石でつくられた白い建物が並ぶ。
旧市街にはスペイン風の歴史的建造物が多いが、新市街には近代的な建物や美しい公園、プラド通りとして知られるパセオデマルティ通りなど広い大通りが走る。

16〜17世紀の歴史的建造物では、サンタ・クララ修道院(1644年)やスペイン植民地総督府のおかれていた要塞でアメリカ大陸2番目に古い建物のレアルフエルサ要塞、スペイン海軍の拠点であったモロ要塞などが知られる。1898年、アメリカの戦艦がハバナ港で爆破されたことをきっかけにアメリカ・スペイン戦争がはじまり、港はアメリカ艦隊によって封鎖された。

スペインの敗北後はアメリカ軍の統治下で再び商業が発展し、1902年にキューバが独立して首都になった。