ストラスブールのグラン・ディル

  1988年登録 / 文化遺産

アルザス地方の中心都市ストラスブール。ライン川の支流イル川沿いに位置し、ドイツとの国境に近い。
ローマ人が都市を築き、当時は「アルゲントラトゥム」とよばれた。4世紀以来、司教座がおかれている。455年にフン族に破壊されたが、フランク族によって再建され、のちに神聖ローマ帝国に属した。支配者、大司教との長い闘争を経て1262年に自由都市となった。

旧市街にはゴシック調やルネサンス調の建築物が多数みられ、「小さなフランス」とよばれる美しい一角がある。有名なストラスブール大聖堂は1015年ごろから建築がはじまったが、この時期のものは一部だけが残っている。11〜12世紀ごろのロマネスク様式の聖歌隊席、1275年再建のゴシック様式の本堂、1270〜1439年建築の尖塔があり、ステンド・グラスと多くの彫刻が大聖堂の特色になっている。

他に、13〜14世紀のゴシック様式のサントマ教会、現在は市の美術館となっているローアン宮殿、すぐれたルネサンス建築の商工会議所が知られる。高等教育機関にストラスブール大学(1538年創立)があり、EU(欧州連合)の1機関であるヨーロッパ議会(1950年設立)も置かれている。

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