古代都市ウシュマル

  1996年登録 / 文化遺産

ウシュマルはユカタン州西部、メリダの南方78kmの地点にあるマヤ遺跡。
紀元500年に建てられた町とされ、マヤ文明が最盛期にあった7世紀〜10世紀にかけて、政治と経済の中心地として繁栄した古代都市。

急角度の階段をもつピラミッドや、盛り土をした高台の上につくられた細長い総督の宮殿などが保存されており、建物の壁一面には壮麗な彫刻が施されている。マヤのピラミッドは何段もの基壇構造を積み重ねたもので、急傾斜の階段が設けられていた。
ピラミッドの内部は土と砂利で出来ており、漆喰が使われた。また、表面には切石を貼り、化粧漆喰で仕上げが成されることもあった。
入口の梁(はり)の部分には木材を使用し、木彫りの彫刻も確認できる。

本格的なアーチ構造ではないが、両側の石積み壁の上部を少しずつ張りださせ、天井部分で合わせる持ち送り式アーチを採用していた。この方法だと壁が厚くなり、内部空間は狭くなり、ほとんどの場合、窓すらない。

建物の外壁は彩色された彫像、化粧漆喰の像、石彫、石のモザイクなどで飾られた。
一般の人々の家はアドベ(日干し煉瓦)や木の枝を利用したもので、現在のマヤ社会に見られるような簡単な構造である。