ガリア総督アグリッパの命令で紀元前19年、南フランスのガール川に水道橋が建設された。
近くにあるユゼスの水源から植民都市ネマウスス(現在のニーム)まで50kmにおよぶ水路を通じ、毎日約2万キロリットルの水が運ばれたという。
長さ275m、高さ47m、ガリア地方でも最大級とされたこの水道橋ポン・デュ・ガールは500年にわたって水道橋としての機能をはたした。
水路の全長は50km近くあるが、高低差は17メートルしかない。これは1kmあたり34cmの勾配で、ローマ帝国の土木技術が非常に高水準であったことが伺える。同様のローマ時代の水道橋はスペインのセゴビア、トルコのイスタンブルでも見られる。
年間数mmずつ傾いており、約2000年後には倒壊すると言われている。
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