スース旧市街

  1988年登録 / 文化遺産

スースは、チュニジア東部、チュニスの南約140km、地中海のハンマメット湾に位置するチュニジア第三の都市。
現在の主要産業は織物、イワシの缶詰やオリーブ油などの加工食品。

紀元前9世紀、フェニキア人がこの地域にハドルメトゥムの街を建設したのがスースの起源となる。
スースは古代ローマ帝国と同盟を結びんでいたため、ポエニ戦争中も含め比較的平和であったが、5世紀にバンダル族の侵入で滅ぼされ、6世紀に東ローマ皇帝ユスティニアヌス1世によって再建。7世紀にはアラブ人が現在のチュニジアを征服。9〜11世紀には重要な港として栄える。

その後はスペイン、18世紀にはヴェネツィア共和国とフランスに征服され、19世紀後半になるとフランスの後背地からの鉱物積み出し港として、さらに活性化された。

スースの見所は古代の城壁に囲まれた旧市街に多く集まっている

851年に建立されたグランド・モスク、9世紀の砦、メディナ(旧市街)、821年建造のリバト(要塞)、市場などがあり、街並みは美しく、多くの観光客が訪れている。

また、スースは現在穀物やオリーブ、ヒツジ、羊毛、皮革などの集積地で、皮革製品・手工芸品・銅器・陶器などを生産し、古くは絨毯とバラ油で有名である。