デルフィの古代遺跡

  1987年登録 / 文化遺産

デルフィは、ギリシャ中部フォキス地方のパルナッソス山麓にある町で、アポロン神託の地である。 神話ではアポロンはガイアを守っていた大蛇ピュトンを退治し、ガイアを聖地から追放した。ディオニュソスと共に自らの聖地にしたとされる。

古代ギリシャの聖都デルフィは、当時の人々にとって世界の中心だった。第1次神聖戦争により、隣保同盟は神域をクリサの支配から解放。以後、デルフィは最盛期を迎える。
しかし、デルフィの富を支配しようとする争いが後を絶たず、徐々に衰退していく。
紀元前446年の第2次神聖戦争、さらに紀元前356年におきた第3次神聖戦争によってフォキス人がデルフィを占領するが、紀元前346年、マケドニア王フィリッポス2世に屈伏した。ついで紀元前4世紀末にはギリシャの都市同盟、アイトリア同盟がデルフィを支配する。
ギリシャがローマの支配下に入り、キリスト教の信仰が広まると、デルフィの美術品や財宝が皇帝ネロをはじめとするローマ人に没収された。

1892年に始まった発掘によって神殿・大祭壇・競技場・劇場・城壁・宝庫などの跡が明らかとなり、アポロン賛歌を記した壁も発掘され、碑文も4000枚以上出土している。

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