オアハカ歴史地区とモンテ・アルバンの古代遺跡

  1987年登録 / 文化遺産

オアハカは、メキシコ南部、南シエラマドレ山脈中のオアハカ渓谷に位置する都市で標高は1600メートル。メキシコにおけるアメリカ先住民の文化・伝統の中心地であり、付近にはサポテカ文化やミシュテカ文化の遺跡などがある。
オアハカは観光都市として人気が高く、市の労働人口の4分の3はサービス業に従事。先住民族が多く住んでいる土地のため、民芸品のお店も多い。
その他、オアハカの特産物として有名なのがチーズとチョコレート。チーズはひも状のものをぐるぐるとボール状に巻いたものが店頭に並んでいる。

オアハカは1486年に建設され、1521年にスペインに征服されたが、スペイン統治期の16〜18世紀の美しいコロニアル風の町並みが残っている。

特にオアハカの象徴「サントドミンゴ教会」は16世紀から約100年の歳月をかけて作られた聖堂はバロック様式の傑作と言われ、内部の華麗な装飾が施された黄金に輝く光景は見事。メキシコにおける重要な教会のひとつである。

モンテ・アルバンは、オアハカの南西10kmに位置する丘陵の頂上部に作られたアクロポリス。紀元前より栄えたサポテカ民族の宗教都市で、最も栄えたのは4世紀から8世紀にかけて。およそ5万人のサポテカ人が住んだと言われる。

遺跡からはサポテカ期の土偶や石版なども出土しており、メソアメリカ文明を考える上で非常に重要な考古遺跡であるが、何故42km2にも及ぶ広大な都市が作られたのか、何故ある日突然滅んでしまったのか、未だに謎が多い。

外敵の侵入を拒む立地に恵まれたモンテアルバンはこの地方一帯を支配下に置き、ピラミッド型の神殿や宮殿、天文台、球戯場など中央アメリカ最古の遺跡が残されており、その繁栄振りが伺える。