秦の始皇帝陵

  1987年登録 / 文化遺産

世界一の規模をもつ墳墓。始皇帝が皇帝位についた紀元前221年に建設を開始、紀元前210年に埋葬された。
平面形はほぼ正方形のピラミッド型墳丘で、かなり浸食されている。 墳墓の周囲は二重の土塀で囲まれ、外側の土塀は南北2165m、東西940mもの広大な規模であった。

皇帝が埋葬された主墳丘の周辺には、陪葬(ばいそう)墓と呼ばれる皇帝の側近や近親者の墓群があり、始皇帝の死後に2代目胡亥(こがい)が兄弟ら皇族を殺害したという説もある。
副葬品を埋めた陪葬坑も土塀内や周辺各所で500ヶ所以上発見された。歴代皇帝の陪葬坑が多くて数十ヶ所であることからも、始皇帝陵の壮大さがわかる。

1974年に外土塀の東方約1kmの地点で発見された兵馬俑坑(へいばようこう)は、最も大規模な陪葬坑である。

第1号坑は東西230m、南北62mで約7000体の兵士や馬の陶俑が発掘された。これは実物大に近く写実的につくられており、隊列を組んだ形で配置されていた。
当時の軍備などを知る学術的資料としてだけでなく美術的資料としても貴重なものだが、その後に第2、3号坑も発見された。

また、中国の始皇帝陵考古隊がおこなっていた遠隔探査などハイテク技術による調査で、墳丘の地下約30mの地点に巨大な地下宮殿や墓室があることが2003年11月に判明した。

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