タージ・マハル

  1983年登録 / 文化遺産

タージ・マハルは、ムガール帝国王妃の白亜の霊廟で、ムガル帝国5代皇帝シャー・ジャハーンが愛妃ムムターズ・マハルのために22年の歳月を費やして建てられた。工事は1632年頃始まり、約2万人を動員したという。

大理石に宝石、貴石を散りばめて建造美しい建物で、イスラム建築の至宝とも言われ、中央ドームの高さは58mで、56m四方の基壇の上にたち、四隅をミナレット(尖塔:せんとう)が囲む。
この左右対称の様式は日光と影、植物と水、光と闇を表したものと思われる。

タージ・マハルの巨大なドームはインド・イスラム様式で、外壁にはイスラム教の聖典コーランの教義が刻まれ、皇帝と妃の遺体が建物の地下室に安置されている。

しかし、地盤沈下や近くを流れるヤムナ川の水質汚染などの影響により、白大理石の色が変質し始めており、早急な保存対策の必要も叫ばれている。

インド・イスラム建築の最高峰と評価は高く、様々な場所から眺めると、秀麗な白亜の霊廟は美しく姿を変え、その姿を見せてくれる。