パムッカレはアナトリア南西部、デニズリから約19kmにある石灰棚の丘陵地帯である。その真白な特異な景観と温泉が有名。パムッカレは、トルコ語で「綿の城塞」という意味。昔からこの辺りは良質な綿花の一大生産地であったことに由来する。
ヒエラポリス-パムッカレがあるこの土地は、紀元前の太古より温泉地として知られてきた。地面から湧き出す温泉水は二酸化炭素に溶けたカルシウムが主成分。この温泉水が高さ約100mの崖から流れ落ち、数千年もかけて沈殿。見事な石灰棚を作り出している。
近年は保存目的のため水量を調節しており、主に夏のハイシーズンにたくさんの温泉を放水しているが、冬でもわずかに放水しており、温泉に足を入れることが出来る。温泉には皮膚の病気、特にアレルギー性皮膚炎、心臓病、循環器疾患、高血圧、神経性の障害、リウマチ、目の病気、神経や肉体の疲労、栄養障害に効用がある。
世界遺産の登録としてヒエラポリスとパムッカレの2つのサイトで1つの登録となっているが、世界遺産に登録された最も大きな要因は、このヒエラポリスの遺跡にある。
ヒエラポリスとは「聖なる都市」という意味があり、紀元前190年にペルガモンの王であったユーメネス2世によって建設が始まる。2〜3世紀の古代ローマ時代には、温泉保養地として最盛期を迎え、ヘレニズム時代からローマ時代、ビザンティン時代まで約10万人が生活してきた。
しかしセルジューク朝によって、ヒエラポリスは壊滅。1354年の大地震で完全に廃墟と化した。
1887年よりドイツの研究チームにより、本格的な発掘が始められ、現在もドイツとイタリアの考古学研究チームによって、発掘調査が進められている。 現在のヒエラポリスの遺跡には、円形大劇場、ドミティアヌス帝の凱旋門、浴場跡、八角形の聖フィリップのマーティリウム、アナトリア最大の2kmもあるネクロポリス(共同墓地)が残されている。
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