マラケシ旧市街

  1985年登録 / 文化遺産

マラケシュは、モロッコ中央部、ラバトの南西約280km、アトラス山脈山麓に位置する都市。
1062年にムラービト朝の都として建設された都市で、王朝はイベリア半島にまで領土を広げた。

赤土の城壁で囲まれた旧市街には、かつての王宮、モスク、スーク(野外市場)などがあり、1062年にマラケシが建設された当初から商取引で栄え、スークは今も街のいたるところで確認でき、それとは対照的な新市街は、フランスの植民地となった1913年以降に建設された、近代的な町。

主な産業は、果物・野菜・ヤシの加工、製革、毛織物や建築材料の製造、製粉、手工業品。特に革製品や絨毯の製造は一級品である。
モロッコ伝統の毛織り絨毯は、ずっしりした手織のもので、1枚しあげるのに数カ月かかることもあるという。

市内の名所は、赤くて古い壁、曲がった街路、市場、カジノ、スルタンの王宮や庭園、12世紀のクトゥビーヤ・モスク、王族の墳墓、アグダル庭園など。
最も有名なのが、ジャマエルフナ広場。城壁に囲まれた旧市街の中心にある約400m四方の広場は、文化と交易の中心として栄えてきた。現在では、大道芸や、日没後の屋台で大変賑わう。
ちなみに、この広場は、「ジャマエルフナ広場の文化空間」として、無形文化遺産保護条約に基づく「無形文化遺産」に登録されている。

※ 日本ユネスコ協会連盟では「マラケシ」と訳されているが、一般的に用いられているのは「マラケシュ」である。