古代都市エル・タヒン

  1992年登録 / 文化遺産

エル・タヒンは、600年〜900年の古典期後期から、900年〜1200年の後古典期前期まで繁栄した祭祀センターであった考古遺跡。
メキシコ湾岸ではトトナカ文明、ベラクルス古典期文化が発展した。

代表的祭祀センターであるエル・タヒンには7つの球技場があり、メソアメリカで儀式的球技が重要な意味をもっていたことを示している。球技場の壁面の浮彫には、生贄にされる球技者などが表されており、ベラクルス古典期文化のおもな美術品はこの球技に関連していたのだろう。

また、エル・タヒンの建築物を印象付けるエル・タヒンのピラミッド基壇は、石灰岩で造られ、石材をつなぐ目地部分には一種のセメントが用いられている。建物全体は赤色に塗られることが多かったが、黄色や青が使われることもあった。構造上の特徴としては、熱帯気候の激しい雨から排水するシステムなど建物を保護するための構造も見られる。また、メキシコのピラミッドで珍しい様式の「碧眼のピラミッド」には窓らしきものが365個あり、カレンダーの役割をはたしたと推測されている。

ここでは数多くの土偶や土器が発掘されており、その芸術的価値はとても高い。