サンティアゴ・デ・コンポステーラ(旧市街)

  1985年登録 / 文化遺産

サンティアゴ・デ・コンポステーラは、スペイン北西部ガリシア自治州の州都でアコルーニャ県にある。
9世紀、キリストの十二使徒の中でも最もキリストに近い存在とされている、聖ヤコブのものとされる墓が近くで発見されて以来、エルサレム、ローマ(ヴァチカン)と共に、キリスト教の3大聖地となる。こうして、多くの巡礼者が訪れた、サンティアゴ・デ・コンポステーラの巡礼路の終着地である。

聖ヤコブはガリラヤ湖の漁師で、弟のヨハネと共にイエス・キリストに従う。イベリア半島で布教活動後にエルサレムに帰還し、紀元44年頃に古代ユダヤの統治者 ヘロデ王によって断首。十二使徒のうち最後の殉教者となった。伝説では、9世紀に羊飼いがこの地で聖ヤコブの墓を発見し、そこに教会が作られた。これがサンティアゴ・デ・コンポステーラの町の起源と言われている。

旧市街には数多く中世の建物があるが、その中心となるのが1078年〜1128年にかけて建てられた、ロマネスク様式のサンティアゴ・デ・コンポステラ大聖堂(カテドラル)である。

大聖堂内には聖ヤコブの遺骸が祭られており、「栄光の門」はロマネスク彫刻群に飾られ、スペイン・バロック様式のファサードは大変素晴らしい。
ちなみに、聖ヤコブはレコンキスタの最中、イスラム勢力と闘うキリスト教勢力の守護聖人として崇められ、このためスペインの守護聖人とされる。

また、市内にはサンティアゴ・デ・コンポステーラ大学(1501年創立)があり、学生の街としても知られる。