スイス・アルプスのユングフラウ-アレッチは、南スイス ベルン州とヴァレリー州にまたがるベルナー・オーバーランド地方に位置。特に、アイガー・メンヒ・ユングフラウというスイスが誇る3名峰とスイス最大のアレッチ氷河を抱く雄大な地域で、そのうちの総面積824km²が世界自然遺産に指定だれている。
多様性のある気候帯、高山植物や動物など多彩な生態系、アルプスを代表する貴重な大自然とともに、アルピニズムの歴史、山岳観光など多くの分野で重要な役割を果たしてきた。
ユングフラウは、ユングフラウ山地の最高峰で標高4158m、1811年にスイス人のマイヤー兄弟によって初登頂された。当時は登るのが難しい山であったが、現在はユングフラウ鉄道(全長9.3km)のラック式鉄道が標高3,454mのユングフラウヨッホ(ヨーロッパ最高峰の鉄道駅)まで運行している。
アイガーは標高3975m、アイルランド人のチャールズ・バリントンとグリンデルワルト出身の山岳ガイド、クリスティアン・アルマーとペーター・ボーレンが1858年8月11日に初登頂を成し遂げた。
特にアイガーがその名を知られているのは、アイガー北壁(高さ1800m)の存在である。これは、フランスとイタリアの国境にあるグランドジョラス(標高4208m)、マッターホルン(標高4478m)北壁と共に、困難な三大ルート 三大北壁の一つとして知られているためだ。1935年〜1958年までに25回の登頂が試され、死者は15名、13回67名が登頂に成功している。ちなみに、アイガー北壁のルートから初登頂をしたのは、1938年、ドイツのヘックマイヤーとフェルク及び、オーストリアのハラーとカスパレクにより成し遂げられている。
氷河の長さは23.6km(2001年12月)、面積は128km²、水の総重量は270億トン、最も深い場所で厚さが約900m以上にもなる。 アレッチ氷河は、氷河史や進行中の過程、特に気候変動と地球温暖化は大変深刻なもので、特に1998年から氷河の後退のスピードが速まっており、猛暑の夏では1日で氷河が10cmも後退することもある。事実、2005年から2006にかけて100m以上も後退している。
このままのペースで温室効果ガスの放出が続けば、アルプスの氷河の80%が失われるだろうと言われており、その保護は今後の課題として議論を呼ぶ。
ちなみに、日本ユネスコ協会連盟による表記では「アレッチュ」であるが、スイス政府観光局では「アレッチ」の表記が使われており、後者が一般的な呼び方である。
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