ケベック旧市街の歴史地区

  1985年登録 / 文化遺産

ケベック・シティは、北米唯一の城壁都市であり、カナダの中で最もフランス色の濃い歴史の町で、フランス、イギリスの支配を受けたため、ヨーロッパの文化を色濃く残している。この地を最初に発見したのはフランス人探検家、サミュエル・ド・シャンプラン。1608年にシャンプランが毛皮交易の基地として町を築いていく。

ケベックの旧市街は大きく分けて2つ。
ひとつはアッパー・タウンと呼ばれ、カトリックの施設や官吏の建物が建ち始めたことに始まるが、現在は高層ビル群、劇場、レストランなどのエンターテイメントスポットが混在するダウンタウンとなっている。

2つ目はロワー・タウン(崖下の街)と呼ばれ、川沿いには商人や職人が住みついたことに始まる。
フランス植民地の歴史がはじまった最初の地、プラス・ロワイヤル(王の広場)や、ギャラリー、クラフト・ショップ、ブティック、レストランやカフェなどが集まるプチ・シャンプラン地区が有名。

1823〜32年にたてられた城壁がケベック旧市街の大部分を取り囲み、中心には大きな要塞シタデルがあり、シタデルはセントローレンス川の高台にそびえる星形の要塞で19世紀に建設された。

市内の名所として、アッパータウンの川を見わたす遊歩道テラス・デュフラン、隣接するフランス様式のシャトー・フロンテナク・ホテル、ウルスラ会女子修道院(1641年建造、1650年再建)、勝利のノートルダム教会(1688年建造、1759年再建)、ノートル・ダム聖堂(1650)、英国国教会の聖堂(1793)、1759年のフレンチ・インディアン戦争の激戦地である戦場公園、州議事堂などがある。