ティカル国立公園

  1979年登録 / 複合遺産

ティカルはマヤ文明の政治、経済中心都市として紀元前3世紀〜紀元後10世紀ほどに繁栄した古代都市。熱帯雨林地帯で栄えたマヤの最大の神殿都市であり、現存する数あるマヤ遺跡の中でも最大規模を誇る。

ティカルが発見されたのは今から300年前のこと。スペイン人の神父が布教の帰り道、密林の中に迷い込んだ偶然からだったが、発掘が始まったのは1956年のことである。

古代マヤの人々はグアテマラ北部、ユカタン半島南部低地の熱帯雨林にティカルと呼ばれる壮大な祭祀(さいし)センターを造った。
マヤの都市の中でも、特に重要で大規模なティカルは、紀元前600年ごろには人が定住し、マヤ文明の古典期(後300〜900年)に最盛期を迎えた。
ティカルは宗教、政治、交易の中心であり、最盛期の古典期後期(後600〜900年)には、5万人近くが生活していたという。

中央広場であるグラン・プラザ(大いなる広場)の周囲には神殿やアクロポリスなどの建造物が集中し、この広場はティカルの宗教祭祀の中心で、人身供犠(くぎ)などの儀式をとりおこなう場所だった。

ティカルをはじめとするマヤの多くの都市は900年以降、急速に衰退して放棄されたが、その原因は不明。人口の過剰、疫病、都市間の争い、熱帯雨林資源の枯渇などが原因と考えられている。

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