バムとその文化的景観

  2004年登録 / 文化遺産・危機遺産

サファヴィー朝17世紀に完成した城塞都市で、アルゲ・バムとも呼ばれる。
日干しレンガの遺跡としては世界最大の規模をもち、建造物はコンクリートに比べてもろい。レンガは自然の力を利用したものだが、この技術は紀元前7000年前から使用されてきた。
アジア中東の砂漠地帯では木材が少ないだけでなく、摂氏50℃の炎天下であることから、古来より土の文化が栄えたのだ。

ササン朝ペルシャ時代(2-6世紀)に最初の都市が作られ、サファヴィー朝期(16-17世紀)に現在見られる城壁が完成した。2500年以上前の施設も確認できることから、前世紀より人が暮らしていた推測される。

1722年、アフガン人の侵入で無人の廃墟となるが、詳しいことは解明されていない。
2003年12月26日、死者4万を超える大地震により、歴史地区の建造物70%以上が崩壊。世界遺産の登録と並行して危機遺産となった。

(写真は地震前の景観)