プーリア州南部の小都市アルベロベッロは、トゥルッリという独特の建造物で有名。
建物は石灰岩で作られており、ダークグレーの薄い石板を重ねた円錐形の屋根が特徴。本来のトゥルッリには釘やセメント、モルタルなどの接着に使う建材は一切使用されていない。
領主は王の役人が税金を徴収しに訪れると、「家がなければ税金を払う必要はない」と考え、農民に家の取り壊しを命じた。農民たちは、いつでも壊せる家を建築する必要があり、土台も骨組みもない技法に頼るしかなく、こういった事情で誕生した人々の知恵の集大成とも言える。
しかし、民衆の不満は3世紀にわたる領主の横暴で頂点に達し、プーリアを視察に来ていたナポリ王国の王に直訴。
フェルディナンド4世はトゥルッリの様式をとても気に入り、アルベロベッロを王直属の領土に加えた。以降、トゥルッリの文化が定着していき、この頃からトゥルッリを建築する際にモルタルが使われるようになった。
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